プロセスのステップを遂行する人を指定するには、次の2つの段階があります:
- プロセスが設計される際、設計者はステップに「アクター」を指定します。アクターとはステップを遂行する理論上の利用者を定義するプレースホルダです。( ※プレースホルダとは、とりあえず仮に確保した場所のこと。また、そのことを示す標識などのこと)
- プロセスをデプロイする前に、アクターは組織内に実在する「ユーザー」にマップされます。
Bonita BPM.このページはBonita BPM のアクターと組織の概念を説明します。
アクターとユーザー
組織とは?
組織を管理するツール
ユーザー情報をカスタマイズする
組織スキーマの XSD ファイル
アクターとユーザー
プロセスを定義するとき、アクターを指定することによってプロセス内のステップを実行するであろうと思われる人を定義します。例えば、あるステップが人事課のあらゆるメンバーによって実行できる場合、あなたはそのアクターを「人事課」と呼ぶかも知れません。また、ヨーロッパの販売チームマネージャによってのみ実行できる場合は、そのアクターを「ヨーロッパの販売チームマネージャ」と呼ぶかも知れません。
ユーザーとは、Bonita BPM の組織内にユーザー名とパスワードを持ち、プロセス内のステップを遂行できる人のことです。プロセスをデプロイする前に、プロセスのアクターをマップする必要があります。このマッピングはプロセス内のステップを実行できる人を定義します。
組織とは?
組織とは、ユーザーの収録で、通常はユーザーが所属するビジネス エンティティ(部門、グループ、役割など)の構造に対応して階層構造で定義されます。
組織内では、ユーザーは1つ以上のグループに所属しています。各グループにはユーザーが所属し、そのグループでの「役割」を持ちます。 役割は必要に応じて定義できます。グループと役割の組み合わせを「所属(membership)」と云います。1人のユーザーはいくつかの所属を持つことができますが、各所属は異なるグループに適用する必要があります。
この会社には次の単位の階層構造があります:
私の会社
私の会社/管理部
私の会社/管理部/調達
私の会社/管理部/受注管理
私の会社/人事部
私の会社/生産部/部品受入
私の会社/生産部/工場
私の会社/生産部/出荷
これらの階層的な単位は、Bonita BPM 組織内のグループとして使用されます。さらに、この階層構造に対応しないプロジェクトなどの組織横断のグループ、またはロケーションなどの他のいくつかのファクターを配慮したグループも作成できます。例えば、米国に本社と生産部門があり、ヨーロッパにも同じ生産部門があると仮定します。この場合、「私の会社/米国」と「私の会社/ヨーロッパ」の2つのグループを作成し、それぞれの関連サイトにユーザーをアサインすることができます。
グループは、プロセスに有益な任意の基準セットをベースに作成できます。 例えば、「私の会社」がサプライヤーからの部品出荷をジャストインタイムでコントロールする新プロセスのトライアルを実施している場合、そのトライアルに関与する特定のユーザーを含むグループを作成できるでしょう。下図は、Bonita BPM Studioで見られる「私の会社」組織のグループを示します。
あるプロセスに参加するすべてのユーザーは同じ Bonoia BPM 組織内に存在させる必要があります。例えば、サプライアーへの注文処理を追跡するプロセスを使用する場合、プロセス内のステップを遂行するサプライヤーの従業員はその組織内に置く必要があります。
組織を管理するツール
組織を管理するための Bonita BPM モデルは、LDAP ディレクトリに格納された情報や他のツールに対しても同じ組織情報を使用することを前提にしています。Bonita BPM はあなたの組織情報管理に使用する3つのツールを持っています:
- LDAP シンクロナイザー (Performance, Efficiency, and Teamwork edition のみサポート): 外部の LDAP ディレクトリと同期して Bonita BPM 組織を維持します。同期は LDAP から Bonita BPM への単方向です。組織をロードするために1度シンクロナイザーを実行し、その後 Bonita BPM ポータル内でその情報を管理するか、または組織は外部で管理し、スケジュールにしたがって、その都度シンクロナイザーを実行します。
- Bonita BPM ポータル: Bonita BPM内で運用中の組織情報を管理します。ユーザー、グループ、役割を管理できます。組織情報のインポートまたはエクスポートもできます。
- Bonita BPM Studio: 初期の組織定義を作成します。この定義はBonita BPM ポータルにインポートするもので、開発ではプロセスをテスト中の組織情報を管理するためのものでもあります。BPM Studio は ACME というサンプル組織を持っています。この組織は少数のユーザーを持ち、各ユーザーは現実的な役割を持つ異なるグループに所属します。開発するプロセスをテストするためには、この小さな組織を使用できます。ACMEの組織を変更したり、他の組織を作成することができます。
ユーザー情報をカスタマイズする
カスタムユーザー情報は組織内のユーザーに独自の詳細情報を追加することを可能にします。
Bonita BPM Studio では:
組織のユーザー内の[ユーザー情報管理] タブを使用してユーザーにカスタム情報を追加します。 このカスタム情報はBonita BPM Studio内に定義され、アクターフィルターに適用され、Bonita BPM ポータルにデプロイされると、タスクにマッピングされたユーザーの絞込みを可能にします。
カスタムユーザー情報は、組織スキーマ内に保存され発行されるので、それをBonita BPM ポータル内で使用できます。
「カスタム情報を持つユーザー」のアクターフィルターがデフォルトで提供されており、アクターに適用できます。ユーザーに追加したカスタム情報を使用してBonita BPM ポータルでタスクを遂行するユーザーにマップします。プロセスが本番稼働環境のBonita BPM ポータルにデプロイされると、そのフィルター定義は静的なため変更できません。しかしながら、フィルター定義に関連する値はシステム管理者プロファイルを持つユーザーによって変更できます。組織はリモートのサーバー上で変更されます。これは既にデプロイ済みのプロセス内のタスクへのユーザー再割り当てを可能にし、タスクのユーザーを絞り込むために使用されます。
このフィルターの定義と値を設定する方法は、「Bonita BPM Studio 内のカスタムユーザー情報 」を参照してください。
Bonita BPM ポータルでは:
このカスタム情報は、システム管理者プロファイルを持つユーザーだけが見たり、編集できます。
カスタムユーザー情報がBonita BPM Studioに存在しない場合、Bonita BPM ポータルでのユーザーのその値の変更しても、そのフィルターに変化は生じません。エラーを引き起こす原因になります。Bonita BPM Studio と Bonita BPM ポータル間の組織を同期して値を常に最新のものに更新するように注意してください。
組織スキーマの XSD ファイル
組織を手作業で変更したい場合は、.xsd ファイルの構造に注目することが重要です。Github サイトで「標準 Bonita BPM 組織 .xsd ファイル」 を参照し、xml の構造とタグを見ることができます。