設計方法

このページはBonita BPMを使用してプロセス指向アプリケーションを開発する際の段階的アプローチについて説明します。

目標設定
アプリケーション範囲の定義
プロセスフ図の作成
プロセス詳細の定義
アプリケーションの設計
テスト
配備
組織の指定
モニタリングと改善

目標設定

目標の設定は、業務アプリケーション、またはプロセスの遂行または改善を行うあらゆるプロジェクトに不可欠な部分です。測定可能な目標を設定する場合は、目的に合致していてるかどうかモニタリングするため、あるプロセスに業績評価指標(パフォーマンス・インディケータ)を設定できます。

目標は定性的あるいは定量的で、かつプロセスの期待するライフサイクルをカバーできるものとします。たとえば、紙ベースの帳票を使用する既存プロセスを新たな自動化プロセスに置き換えたい場合、目標は、起票にかかる時間を新システムへの移行前と新システムにユーザーが馴れた運用開始6ヶ月後、それぞれの実際値と期待値を定義できるはずです。 また、もはやベーパードキュメントを保管する必要がなくなったことで実現するコスト低減効果、あるいは配備前にそのプロセスが達成しなければならなかった品質を目標として定義できるはずです。

Bonita BPM はあなたのプロジェクト目標の定義は支援しませんが、あなたが評価基準(メトリックス)を作成しその目標値に合致しているかチェックすることは支援します。

アプリケーション範囲の定義

アプリケーション範囲の定義とは、それを使用する人、および彼らの活用イメージ、関係する情報、必要なセキュリティ レベル、外部システムとの接続などを定義することを意味します。

  • アプリケーションまたはプロセス: そのプロセスはまったく人が関与しない完全な自動化プロセスでしょうか?そのプロセスは人が関与する他のプロセスとのやりとりがありますか?人の関与がない場合は、プロセス指向アプリケーションを作成する必要はありません。
  • 人: そのアプリケーションのオーナーは誰ですか?そのアプリケーション内のプロセスのオーナーは誰ですか?そのアプリケーションとそのプロセスは誰が使用しますか?中心となる利用者は誰ですか?アプリケーションの存在を知る必要があるのは誰ですか?いつ、どのようにそれは使用されますか?使用される頻度は定期的、それとも突発的?使用者はある特定の人物、あるいは同時に多くの人のいずれですか?
  • 情報: そのアプリケーションはどのようなビジネス情報を必要とし、どんな情報を生み出しますか?そのプロセスおよびアプリケーションの期待される結果は何ですか?
  • セキュリティ: そのアプリケーションを使用する人々にどんな種類のコントロールが求められますか? 簡単なログインで十分ですか?
  • 接続: 外部システムへはどのような接続が必要とされますか?そのアプリケーションは電子メールを送信するため、またはいくつかの他の業務アプリケーションを使用するために、データベース内の情報にアクセスする必要がありますか?それらの外部システムは、JavaでアクセスできるAPIを持っていますか?

プロセス図の作成

Bonita BPM Studio を使用し、大まかな業務の流れを手早く描き、そして開始点、主な作業ステップ、分岐、判断、終了点などの詳細を追記したプロセス図を作成することができます。これをアプリケーション内のそれぞれのプロセスに対して実施します。この段階で先の進む前にプロセスオーナーおよびキーとなるユーザーの同意を得ます。

考える事

  • ほとんどのビジネスプロセスは、1つの開始点と1つの終了点を持っていますが、場合によっては複数の開始点と終了点を持つ可能性があります。
  • 並行して起こるのアクティビティがある場合には、その並行フェーズの開始点と終了点を明記するために、並行ゲートウェイを使用します。

アプリケーションはプロセスと同じ方式の実行可能コードではないため、プロセス図を作成する必要はありません。しかし、その仕様を作成してプロセスオーナーおよびキーとなるユーザーの同意を得る必要があります。1つの選択肢は、Bonita BPM Studio を使用して、アプリケーションの活用イメージを示すプロセス図を単なるお絵かきとして作成することです。このプロセス図は実行可能ではないですから、.barファイルとしてエクスポートしあり、デプロイする必要はありません。

プロセス詳細の定義

アプリケーションの各プロセスを開発する段階では、詳細化する定義にはいくつかの側面があります。

  • データ: 各ステップの入力データと出力データを定義します。永続的に保管する必要があるデータについてそのデータモデルとデータ型を定義します。
  • ステップ詳細: 各ステップが正しいタイプ(ヒューマン·タスク/システムタスク/サブプロセスなど)で、説明的な名前を持っていることを確認します。
  • 遷移とフロー詳細: すべての遷移が説明ラベルを持っていることを確認します。プロセスの分岐でデフォルトのパスが常に存在することを確認します。プロセスはステップのループが含まれている場合は、定義された反復の最大数があることを確認します。
  • コネクタ: 関連するステップにコネクタを接続します。その際、ユーザー アクティビティとコネクタ アクティビティの両方に分割し、ユーザー用のヒューマン·タスクとコネクタ用のシステムタスクを分ける方がより効率的になる場合があります。各コネクタを構成します。
  • アクター: 各ステップにアクターを定義し、必要に応じてアクターフィルタを適用します。
  • モニタリング: 収集すべき主要業績評価指標(KPI)を指定します。これらはビジネス アクティビティ モニタリング (BAM) アプリケーションを使用してアプリケーションを監視することを可能にします。プロセスに対してあなたが定義した目標の達成状況を測定するために、そのKPIが必要なデータを提供しているかを確認します。
  • 例外処理: エラーや予期しないイベントの対処方法を計画します。案件処理、またはプロセスを停止する必要があるかどうか、または例外に対し代替パスを用意する必要があるか検討します。場合によっては、イベントサブプロセスを使用するかどうかを決定します。
  • プロセスの保守性: プロセスを説明する注釈を追記します。すべての要素に説明ラベルがあるか確認します。プロセスドキュメントを生成し、それを確認します。

アプリケーションの設計

アプリケーション定義およびプロセスの定義が完了すると、アプリケーションのページおよび各プロセス タスクでユーザーがどのように関与するかを定義します。必要なページやフォームを作成します。

ページやフォームを作成するには、Bonita BPM StudioのUIデザイナーを使用してウィジェットを操作します。あなたは、ウィジェットを追加、削除、および並べ替えるたり、フォームの外観を変更することができます。

テスト

全体としてアプリケーションをテストする前に、個別に各プロセスをテストします。

Bonita BPM Studioのプロセス定義を検証することができます。検証ステータスは、定義の間違いや欠落を示します。プロセスをテストする前に、検証フラグが立てられたエラーを修正します。

Bonita BPM Studioには、デプロイする前に、ローカルでプロセスをテストするための環境を持っています。したがって、コネクタなしでプロセスをテストする、各コネクタは独立してテストする、コネクタ付きでプロセスをテストするなどができます。なお、これらはテストする前にローカルでプロセスをテスト方法を設定する必要があります。

Bonita BPM Studioには、プロセスまたはアプリケーションのテスト用にACMEというサンプル組織が事前設定されています。

ローカルテストが完了したら、本番環境にアプリケーションを移行するう前に、アプリケーションを実行する環境に応じて現実的なシステムでプロセスをテストする必要があるかもしれません、あるいは、ユーザー数や案件を制限して本番環境に置く可能性もあります。

配備

テストが完了すると、プロセスはBonira BPM ポータルでデプロイする準備ができ、アプリケーションを本番環境に置く準備ができました。あなたはそれを本番環境に置く前に、デプロイ用の各プロセスを構成する必要があります。

組織の指定

本番環境にアプリケーションを稼働する前に、すべてのプロセスのユーザー、グループ、および役割を設定し組織を定義する必要があります。また、プロセスのステップを遂行する実際の人々をプロセスに定義されているアクターに関連付ける必要があります。

モニタリングと改善

配備後、利用状況をモニタリングし、主要業績評価指標(KPI)を収集して、あなたが当初定義した目標にそのプロセスがどれくらい合致しているか評価することができます。